【祝!完結】ありがとう庵野監督、さようならエヴァンゲリオン|ネタバレ・考察ややあり

【感想・レビュー】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を鑑賞|考察・ネタバレなし

Q公開以来、8年ぶりのエヴァ新作、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見てきました。

感想は、とても良かった。

それも、「完結して良かった」ではなく、「綺麗にまとめあげ、納得いく形で終わらせてくれて良かった」の意味合いです。

ぶっちゃけ「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」には、1mmも期待していませんでした。

ぼく

エヴァQで絶望し、2019年公開「シン・エヴァ-10分40秒の冒頭映像」にもまったく心躍らなかったので。

そのため、20年以上付き合った作品の終わりを見届ける…

オブラートに包まない言い方をするならば「骨を拾う」気持ちで見に行きました。

それが、良い意味でここまで期待を裏切る作品に仕上げてくるとは。

とくに古参ファンほどグッとくると思います。いわば、旧・劇場版のアンサー作品でもあるので。

あと、年齢的にも…かな。特にリアタイで見ていた方は、子から親へライフステージが変化している方も多々いるかと思うので、そういった意味でも。

逆にエヴァに思い入れがなく、破のような王道エンタメを期待している方には、不評かと思います。


今回のシン・エヴァ、良かったと同時に「さや侍(松本人志)」と「シガテラ(古谷実)」を見終えた時の喪失感に似たものを感じました。

  • 前者は、過去バリバリに尖ってた人が、ライフステージの変化により角が取れた、いわば”丸くなった”ことへの寂しさ。
  • 後者は、在りえたはずの未来、そしてもう決して戻らない現実を突きつけられ、でもそれが人生だよなぁ..と妙に納得(?)してまう寂しさ。

ですかね。

”丸くなった”ことへの寂しさについて

旧・劇場版では…

  • 登場人物(キャラクター)がほぼ全員退場させられる
  • 劇中に実写パートを設け、その中で声優やマネキンにコスプレさせ、虚構かつリアルな姿を映し出すことでキャラ萌えの幻想を壊す。
  • 同じく実写パートでは、映画を見ている観客までをも写し、セリフで「これは虚構の世界やで。お前ら現実見ろよ」と諭される。
  • そして最後、生き残ったヒロインにすら「気持ち悪い」と言われ拒絶される。

…とまぁ、徹底的に突き放されたわけです。

ぼく

そもそも映画のキャチコピーからして「だからみんな死んでしまえばいいのに…」「では、あなたは何故、ココにいるの?」ですからね…

そんな、観客を拒絶してきた(ATフィールドを張りまくってきた)人とは、思えない仕上がりにまず驚きました。

その要因が年齢・社会的成功・伴侶を得たこと・周囲の協力なのか…理由は分かりませんが、人って変わるものだな〜と。

特に「Q」で、またかよ…となった身としては、この変化が一番驚きました。

今回それが吉とでた訳ですが、旧劇のような苛烈な皮肉めいた作品を作ることはもう無いんだろうな〜と思うと、ちょっと寂しさも感じたり。

てか、シン・ゴジラ制作時のブログ記事や旧劇を見ている身からすると、シン・エヴァの(いかり)親子がまんま庵野監督にしか見えなかったです (絶対自己投影してるだろ..)

在りえたかもしれない未来が消失してしまったことへの寂しさについて

劇中一番印象に残ったシーン/セリフは、シンジとアスカの過去形のやりとり。

これは、その後の展開含め、ものすごく切なくなりました。。

ただ、年月の経過や自尊心が高く”躍らされること”を良しとしないアスカの性格を考えると、まぁ…そうか、そらそう着地するわな。。。と妙に納得もできたり。

ぼく

「シン・劇場版」とわざわざ銘打った意味合い的にも。


シン・エヴァンゲリオン劇場版:|||タワーレコードとのコラボレーションの様子

タワレコとのコラボの様子

「未完の傑作より完結した駄作」という言葉がある位、きちんと作品を終わらせることは重要だと思います。

ただ、シリーズもので終わりが良い作品って中々ないのも事実。

特にエヴァみたいな、メイン/サブ、双方のカルチャーを背負ってる巨大コンテンツともなると、誰もが納得できるような形で終わらせることは、ほぼ不可能かと。

そのため、本作は、過去突き放した旧劇(古参)ファンに重きを置いた、いわばラブレター的な意味合いが強いのかなーと。

ぼく

爽快さはあるものの、「破」みたいな分かりやすい展開ではないので。


鑑賞後は、色んな思いや思い出がこみ上げてきて少し泣きました。

ぼく

特に旧劇は亡くなった義父に連れて行ってもらった思い出の作品なので。

ここまで感傷に浸れる作品に出会うことはもう無いかと思います。

ありがとう庵野監督、さようならエヴァンゲリオン。

おかげさまで、とてつもなく満足度の高い映画体験となりました。

ぼく

あと2回位、劇場で見たい。


王道エンタメ的な終わり方希望ならば、エヴァ同人誌「RE-TAKE」が個人的にオススメです。

ぼく

全年齢版 & 薄い本、両方とも手放してしまって若干後悔してます。。

そんな感じで。終わりッ!!

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