学歴社会・格差による断絶|映画「パラサイト 半地下の家族」で韓国社会の実態を知る。【感想・レビュー】

カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞!話題の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞してきた|感想・レビュー

今、話題の映画「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞。

日曜日の最終上映回に行ったのにも関わらず、激混み。スゲェ。。さすがパルムドール受賞作。

韓国映画は、「オールドボーイ」「息もできない」に続き、3作目。

前2作が”精神的にくらう”映画だったので、今回もそうだろうな〜と思ってたら案の定。ずっしり重めな、後を引く映画でした。

ぼく
骨太なプロット。ヒリヒリと差し迫ってくるかのような緊迫感。目を背けたくなるようなバイオレンス描写…というのが韓国映画に持っているイメージ。

事前情報は、”ポスタービジュアル”のみ。見た目から察するに「ホラー、もしくはサスペンス」なんだろうな…と思ってたら、概ね予想通り。

…だったものの、風刺や娯楽(コメディ)的な要素も多分に混ざっていました。

なので、誰でも楽しめる作品ですね。特に娯楽色が強い前半は。

・・・

後半からは一転。あるシーンを迎え、物語が一気にあらぬ方向へと転んでいきます。

その転換点となるシーンで「あぁ…ヴィジットみたいなオチか…(つまり成りすまし)」と思っていたらまさか、まさかの。

ただ、不穏さが1つに集約されるような、差し迫ってくる音楽を使用していたので、これまでの出来事がひっくり返るような驚きの事実が明かされるのを期待しました。

…が、謎が謎を呼ぶ展開になったのは違う意味で驚き。

そういった意味では、(伏線を回収した上で)予想をはるかに超える衝撃の結末を迎えた「オールドボーイ」の方が好きですね。

ぼく
(オールドボーイの)オチの衝撃を100%味わうには、儒教文化が根付いたこの国で….という前提知識が必要です。

そのため、「パラサイト」に関しては、娯楽(コメディ)に徹した前半の方が好みです。

・・・

「パラサイト」でもっとも興味深かった点は、韓国の社会情勢をリアルに描いている点。

個人的に韓国の”超学歴社会“とイギリスの”階級社会“は、非常に興味があるので、その実態を余すことなく映し出した本作は、なかなか衝撃的でした。

印象的なセリフは「お金シワをのばすアイロン」と「警備員の仕事に大卒500人が殺到した」の2点。

このセリフだけで、普通の生活を送ることですら”いかに厳しいか”がうかがえます。

そして、極め付けは、どんなに身分を偽っても、どんなに良い洋服を着ようとも”こびりついた匂いは隠しきれない“…という演出。

臭いで格差を表現

古い切り干し大根の臭い

韓国は、学歴が全て。さらに大企業と中小企業の賃金格差は日本の比ではありません。

よって、日本と違い”決して成り上がれない社会“です。階層の差は絶対的。

韓国は過酷な競争社会である。大学の受験戦争、就職難、結婚難、老後の不安、OECDの中で最も高い自殺率……。加えて男性が虐げられた社会である。元韓国大使である武藤正...

その決して覆ることのない人生、つまり格差を”臭い”で表現してるんですよね。なので、対等な立場で喋ってるように見えても、完全には心を開いていない。つまり一線を画し続けられる訳です。これが徹底的に描かれてました。

格差社会

格差による断絶

さらに悲劇なのは、争いは基本”同じレイヤー同士”で起きること。

(下の階層の人たちは)下克上(げこくじょう)の意識すらない。なんなら上の階層の人間たちに対して”リスペクトッ!!“すらしてる訳です。

物悲しさの極地。しかも上の階層の人間は”そういったこと”が起こっていることすら知らないという。

まさに闇。生存競争の過酷さは、先進国随一。そらOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で自殺率NO.1になる訳だよ。

色々考えさせられる映画でした。この映画、自国(韓国)の人が見たらどう思うんだろうか??

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