横浜・アソビルで開催されている「アソビル ART SELECTION vol.1」に行ってきました。(感想をサクっと知りたい方はこちらをクリック→感想に飛ぶ▼)
本展覧会に訪れた目的は「絵画のチカラ展」と「左ききのエレン展」を見るため。
ただ、正直なところ「左ききのエレン」は、むちゃくちゃ好きな作品…という訳ではありません。
というのも、朝倉側(凡人側)の話は、作者自身がこれまで経験してきたことが反映されているためか、現実に即した内容(血が通った内容)となっており非常に面白いのですが、反面、エレン側(天才側)は、非現実的すぎて同じ世界線の話だと思えません。
また、エレン側は、「絵」や「ファッションデザイン」の天才たちが続々登場しますが、彼女らが作った作品を実際の絵で”可視化”されると、”作中でくだされる評価“と”こちら側が受けとる内容“にギャップが生じ、なんとゆーか”置いてきぼりを食らった状態”に陥るのが若干見ててツライな…と。
左ききのエレンは凡人が悶々としていたことをかなり明確に言語化してくれるものすごい作品。
なのに、なのに作中ブランドAK5のリアル商品のダサさと世界観のズレはなぜ起こるのだ(´Д` )#左ききのエレン— хиросси (@rossi0880) 2019年10月18日
これで思い出すのが、音楽漫画を実写化した映画である「BECK(ベック)」。
主人公”コユキ”の歌声は、一聴しただけで”素人・玄人”問わず、誰もが圧倒される歌声…という設定です。
漫画はいいです。声が出ないので。じゃあ、映像化した時にそれをどう表現したか。
答えは「無音」。
主人公コユキ(佐藤健)が歌うシーンのみ音を無くし、観客の反応で「聴く人を魅了する天性の歌声」が表現されていました。
映画「BECK」では、原作者のハロルド作石さんの意向により、主人公コユキの「奇跡の歌声」は実際には流れず、口パク+イメージ映像で演出されてるんだけど、その事を知らないうちの母が「なんで……? コユキの声が聴こえへん……」と言いながら耳掃除を始めたので、いつ教えようか悩んでる。
— ひらりん (@1219hr) 2011年11月11日
これは賛否両論だったものの、個人的には”その手法”しか無いと思います。だって、それを実際の歌声で表現するのは無理なので。
対して「左ききのエレン」は(BECKで例えると)ガンガン歌っちゃってます。
作中でハードルをMAXまで上げちゃってるもんだから、見てるコチラからすると、期待値を下回り”がっかり”する。なのに、なぜか画面内の観客は感動している…というミスマッチが生じます。
これが、左ききのエレンに出てくる天才たち(エレン・ジェイコブス・岸アンナ)の作品を見て思うことです。
・・・
エレン側(天才側)の感想は上述に示した通りですが、朝倉側(凡人側)の話はとても好きです。主人公である「朝倉光一」とは同じ職種ということもあり、共感できることも多々あったり。
ただ、(朝倉が)アナキン・スカイウォーカーばりに”闇落ち“したり、先輩デザイナーである柳一(やなぎはじめ)の「ぼく 人間ちゃうわ デザイナーや」のセリフなど、やたら”中二病”くさい描写があるのは、あまり好きではありません。。
前置きが長くなりました。これより本題である「左ききのエレン展」の感想を書いていきたいと思います。
目次
左ききのエレン展 in 横浜・アソビル |感想や写真など
個人的には、とても残念な展覧会でした。過去1(かこいち)と言ってもいい程に。
原因は明白で、「展示作品が少なすぎる & 原画が一枚たりともない」これに尽きます。
なんせ「人物相関図」と「作中に出てくる名言をまとめたボード」、「描き下ろしイラスト(しかも原画ではなく印刷物)」で全展示スペースの半分を占めていたので。
…や、(これらの展示物は)全然あってもいいとは思います。思 う ん で す が ッ!! これで半分近く占められるのは正直キツイ。
例えば、以前「進撃の巨人展」に行った際、同じような展示物がありましたが、それは全体の中のごく一部でしかありませんでした。
例えば、上記の「巨人相関図」が全展示物の20%〜25%のスペースを占めてたとしたら….おそらく多くの方が”がっかり”されるんじゃないでしょうか…??
だって、言われなくても知ってるからね。(作品を)知ってるから見に来てる訳だし。
しかも、「進撃の巨人展」が、原画ありきで説明しているのに対し、「左ききのエレン展」は、全て印刷物という点も気になったり…
なんか”カジュアルに済ましてんな〜”というのが、本展覧会を見た感想です。(ぶっちゃけ熱量を全く感じませんでした…)
・・・
良かった点を挙げるとすれば、「担当編集者との校正を経て、セリフや構図などが”どんどん”変わっていくのを見れたこと」かな…
これこれ”こういう理由”で”こうした方が良い”とロジックがとても明確。この一文だけで、とても優秀な編集者であることが分かります。
インターネット上で作家自身が気軽に漫画をUPできることから、”編集者不要論“がたびたび話題に上がりますが、こういうのを見ると「読者と作家の架け橋となる重要な仕事だよな〜」と再認識させられます。
まさに左ききのエレンでいう”さゆり”的ポジションですね。凄まじい才能を持つ”エレン”を世に浸透させるべく、マーケティング・営業的視点で、エレンを補佐する姿と(担当者編集者が)重なりました。
「正直デビューから3作目までのアルバムは、僕は今聴き直せない。『大人の言うことなんて』と思って強く反発し、サウンドプロデューサーを入れなかったことを、今ではすごく後悔している。(中略)残念ながら初期のLUNA SEAは、サウンドのクオリティーがそこに至らなかった」https://t.co/D585F9cmvk
— わがままコブラ (@wagamamacobra) 2019年12月6日
その他、ドラマで使用された小道具なども展示されてたり。作中に出てきた「商品」や「絵」が具現化されてたのは、若干テンションが上がりました。
コレ位かな…3週間前に見たにも関らず、あまり記憶に残っていないことからも、自分の中では、かなりイマイチな展覧会だったなぁ〜と思います。(上から目線でスイマセン)
そんな感じで。終わりッ!!
アソビルで開催中の左ききのエレン展観てきた。
原作の大ファンだから、リメイク版の絵だったのは残念だけど、それでも感動。
あのPVの音楽がめちゃくちゃ頭に残った。
カヤックが製作してるのは笑った。古巣ですよね?そして、同時開催の他の展示もめちゃ良かった。#左ききのエレン展
— カトウ (@tkfromkato) 2019年10月20日
左ききのエレン展:概要
会期 | 2019年10月19日(土)~11月24日(日) | ||||||
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開催時間 | 11:00~19:30 ※入場は閉館の30分前まで |
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チケット料金 |
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定休日 | 不定休 ※施設に準ずる | ||||||
所在地 | 神奈川県横浜市西区高島2丁目14−9 アソビル 3階 | ||||||
HP | アソビル: ASOBUILD |
アソビル:MAP(地図)
アクセス |
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