アニメージュとジブリ展 in 大阪の感想【ガンダム/ルパン/ナウシカ/ラピュタ】

【アニメージュとジブリ展 in 大阪】風の谷のナウシカの資料が200点以上展示!ルパン/ガンダム/うる星やつらまで網羅された大展覧会に行ってきた。

“阪急うめだ”で開催されていた「アニメージュとジブリ展」に行ってきました。

てな訳で感想をば。

アニメージュとジブリ展 in 大阪・阪急うめだの感想

残念だった点

以下2点です。

  1. 「70〜80年代のアニメ」に焦点を当てた展覧会だった
  2. 大混雑、かつ、文字情報の多い展覧会のため、(人の流れ・鑑賞が)遅々として進まない

ぼくは、90年代〜2000年代のアニメが好きなので、本展がピックアップしたコンテンツには、あまり”ノレ”なかったです。

アニメージュの表紙群

70〜80年代のアニメが中心

ぼく

この頃のアニメをリアルタイムで鑑賞していた層は、おそらく50代になるかと。

ただ、本展は、日本のアニメやスタジオジブリがいかにして今の地位を築いたか“を作品や時代の流れを通して解説するが主旨。

そのため、ぼくの好きな作品がない!!…と文句をいうのはお門違いですね。。

ぼく

主旨に沿って見るのであれば、非常に満足度の高い展覧会です。

良かった点

  1. 制作秘話が”コンプライアンスに対する意識が低い”当時の言葉そのままで見れる
  2. ジブリやアニメ産業が飛躍したきっかけを当時の資料交え、時系列順に解説してくれている

良かった点1:制作秘話が”コンプライアンスに対する意識が低い”当時の言葉そのままで見れる

ガンダムのジオラマ

ガンダムのジオラマ「黒い三連星」

これはもう”めちゃくちゃ”面白かったです。

スポンサーやアニメファンに全く配慮していない”ぶっちゃけ話”が多数掲載されていたので。

一番すごいな…と思ったのは、ガンダムに出てくるキャラ「リュウ・ホセイ」の逸話(いつわ)

なんでも当初は黒人という設定だったそうですが、テレビ局からクレームが入り、中南米系の顔立ちに変更したそうです。

こんなぶっちゃけ話をオフィシャルなものとして、世に出していたのがすげーなと www 今じゃ考えられないですね。

他、面白かったエピソードは以下の通り

機動戦士ガンダム

アニメージュのセイラ・マスの表紙

セイラ・マス

  • セイラ・マス:スマートな女性ヒロインの設定。存在感なんてどうでもいい、見てくれがいいだけの女性版ヒーローキャラを作り上げた
  • キシリア・ザビ:ただの女の指揮官という指定。設定が分からずマスクで顔を隠した

ぼく

語り手は、ガンダムの生みの親「富野 由悠季(とみの よしゆき)」。”ぶっちゃけすぎ”でしょ。

ルパン三世 カリオストロの城

アニメージュ「ルパン三世 カリオストロの城」の表紙

冒頭のシーン。めっちゃ好き

  • 次元:パッとしない用心棒。ただの殺し屋。彼にとってルパンは”ましな役割を与えてくれる”存在
  • 五ェ門:切れ味の一瞬の充実が好き。時としてルパンと組むことがある人物に設定しておいた方が良さそう
  • 銭形(TV第1シリーズの最終回で)泣いてしまったことで終わったキャラ

ぼく

語り手は、監督の宮﨑 駿。どんだけシニカルなんだよww と思って見てました。

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良かった点2:ジブリやアニメ産業が飛躍したきっかけを当時の資料交え、時系列順に解説してくれている

御成座で使われた風の谷のナウシカの映画看板

ファンが描いたナウシカの映画看板。

物心がついた時、すでにジブリは国民的アニメでした。

作品を出す=社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなる…など盤石の地位を築いており、(ジブリは)当然のように”在るもの”だと思っていました。

…が、そんなことは全くなく、奇跡のような出会いとタイミング、いつ頓挫(とんざ)してもおかしくない綱渡りのようなギリギリの状態を経た上での現在(イマ)ということがよく分かりました。

風使いの腐海装束と腐海に沈む巨神兵

左:腐海に沈む巨神兵|右:風使いの腐海装束

この展覧会を通して、個人的にスゲェなと思ったのは、ジブリの名プロデューサー「鈴木 敏夫(すずき としお)」さん。

この人がいなかったら、スタジオジブリは無いですね。あと、アニメの隆盛(りゅうせい)も数十年単位で遅れたかも。

様々な逸話(いつわ)がありますが、なかでも漫画版「風の谷のナウシカ」での宮﨑駿とのやり取りは強烈でした。

宮﨑駿

あかん…10年ぶりのペン入れなんで、全然進まん。ナウシカの2話目無理やわ。連載終了でいい?

鈴木敏夫

いや、待って。速く描ける方法ない??

宮﨑駿

鉛筆で描いていいなら…

鈴木敏夫

鉛筆描きじゃ入稿できねぇよ!!

鈴木敏夫

OK。それで。

大日本印刷に掛け合い、試行錯誤の末、鉛筆描きでも入稿できるように。

宮﨑駿

あと、モノクロじゃなく茶色の線で印刷してな。

鈴木敏夫

できねぇよ!!

鈴木敏夫

OK。

これも交渉の末、できるように。

ぼくの隣で見ていたおっちゃんが「敏夫凄すぎやろ…」と呟いてましたが、完全に同意です。。

段ボールで作られた王蟲

段ボール製の王蟲

なお、漫画版「風の谷のナウシカ」執筆時の宮﨑駿の評価は…

です。

また、当時はガンダム銀河鉄道999など、SFが人気の時代。

そんな中、アニメージュの編集者だった鈴木敏夫は、31ページもの紙面を割き、宮崎駿特集を敢行。

結果、半分近くが返品されるという”やらかし”を行っています。

ぼく

しかもその号の表紙は999というww よっぽど宮﨑駿の才能に惚れ込んでいたんだなぁ…と。

まるでビートルズとエプスタイン、鳥山明とマシリトみたいな関係ですね。

名クリエイターだけではダメで、手綱を握ってくれる and ユーザ目線(マーケ視点)で見れる人がいて、ようやくメインストリーム市場で成功を収めることができるという。

ここら辺を当時の資料交え、時系列順に解説してくれてるので、非常に面白かったです。

そんな感じで。終わりッ!!

アニメージュとジブリ展 in 大阪:概要

アニメージュとジブリ展 in 大阪の概要

会期 2021年12月9日(木)〜2022年1月10日(月・祝)
開館時間 10:00~20:00(最終入館19:30)
チケット料金
一般 1,500円
中・高校生 1,000円
小学生 600円
休館日 2022年1月1日(土・祝)
電話番号 06-6361-1381
所在地 大阪府大阪市北区角田町8番7号 阪急うめだ本店 9階
HP アニメージュとジブリ展 公式サイト

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