気になっていた展覧会の終了日が軒並み9月6日だった為、終了直前、滑り込みで鑑賞。
てな訳で感想をば。
目次
飄々表具(ひょうひょうひょうぐ) 杉本博司の表具表現世界
「瑠璃の浄土」に続き、今年で2回目です。杉本 博司(すぎもと ひろし)さんの作品を見るのは。
「瑠璃の浄土」では写真の被写体・作品に込められたコンセプトにやられましたが、本展では、「媒体」と「構成の妙味」にグッときました。
本展覧会の表現媒体は表具(ひょうぐ)、分かりやすく言うと「掛軸(かけじく)」ですね。
そして、それを構成する各パーツは、杉本氏自身がセレクトしたもの。
つまり、既製品ではなく、杉本氏のセンスで選び抜いた古今東西のマテリアル(素材)を一つの作品へと昇華したものが本展覧会の展示作品となります。
掛け軸って全体を俯瞰(ふかん)でしか見たことがなく、各パーツバランスの調和の元 成り立っているという視点を持ち合わせておりませんでした。
ゆえに新鮮な視点で鑑賞することができ、こういう楽しみ方もあるのかと新たな気づきを得ることができました。それが結構大きかったですね。(来た甲斐があった。)
あとは、「本紙」のチョイスが既成概念に縛られず、結構自由でそれが見てて楽しかったです。
特に気に入ったのは、以下6点。
- アンディ・ウォーホルの宿泊サイン
- 坂本龍一「戦場のメリークリスマス」の自筆楽譜
- アグネス・マーティンの水彩画
- 小野道風の詩
- 死者の書 (古代エジプト)
- 西洋の解剖図
1、2は、それ自体がもつ歴史的な背景に。3〜6は、ビジュアル(見た目)にやられました。
本紙にアンディ・ウォーホルの宿泊サインを用いた作品
各パーツの構成要素の内訳は以下の通り
- 本紙:ウォーホルが京都に泊まった際、宿帳に殴り書きしたもの
- 設え:ウォーホルの代表作「キャンベルのスープ缶」のモチーフとなったもの
- 一文字:平家納経 陀羅尼品(だらにぼん)の表紙
アンディ・ウォーホルは、いわゆるそこら辺にある物に芸術的価値を付与した作家という認識です。
この作品(掛軸)にどういう意図が込められているかは分かりませんが、個人的には、デュシャンの便器みたく皮肉が効いてていいなと思いました。
なお、描かれているのは、キャンベルスープ缶・サイン・日付です。
宿帳には、森繁久彌や水谷八重子など、著名人のサインがいくつか在ったそうですが、ウォーホルのページのみを切り抜いて使用したとのこと。
その他、(杉本さんの)代表作である「海景」と「劇場」が見れたのが良かったです。
飄々表具ー杉本博司の表具表現世界。確かに前から気になっていた表具。スポットライトが当たりにくく知らない世界というのと、この伝統は繋いでいく必要があると思うが技術・跡継ぎ・材料など難しい問題を抱えているという点と。氏の美意識からその表具が持つ「表現」の可能性を探る。重層的で面白い。
— hiro (@hiroasagent) June 5, 2020
飄々表具 杉本博司の表具表現世界:概要
開催期間 | 2020年4月4日(土)〜9月6日(日) | ||||
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開館時間 | 10:00~16:00(入館は15時30分まで) | ||||
入館料 |
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定休日 | 月曜日(祝日の場合は、翌火曜日) | ||||
電話番号 | 075-752-5555 | ||||
所在地 | 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6−3 | ||||
HP | 京都 細見美術館 The Hosomi Museum Kyoto |
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アートとTシャツと私
conix(コニックス)さんの作品を見に四条寺町にあるギャラリー「haku kyoto」へ。
conixさんの絵はとても好きで欲しいと思うものの、人気がありすぎてもはや買える気がしません。。
なので、美術館収蔵作品のように「展示期間中に見るものだ」…という考えに切り替えました。
お目当ての作品
アンニュイな感じがいいですねー。表情・服装・肩紐がずれてる感じなど、気だるそうな感じが堪りません。
今年発表された他2作品(KYNE girl、Let’s get naked)と比べると、本作の方が断然好みです。
それにしても、よくここまで少ない線数でその人にしか書きえないアイコニックな絵が書けるな…と。一目で「conixの絵や!」って分かりますもんね。
造形する力がほんと凄まじい。おそらく写実的な絵も書けるはず。どういう過程を経てこの絵に行き着いたか、その時々の絵も見て見たいですね。
その他、人気イラストレーター「ニシクボ サユリ」さんの作品を見れたのも良かったです。(眼福でした。)
なお、本展は、原画作品のみならず、アートプリントの販売もされておりましたが、人気作家さんの作品は即日で原画含め全て完売済み。
気に入った作品が、もう二度と見れないと思うと悲しいですね。。せめてアートプリントだけでも欲しかったな…
京都のギャラリー「haku」さんで開催されてる
「アートとTシャツと私」。
パンクするほどのお問い合わせ件数、売り切れ続出。
お求めはお早めに。企画展は9/6まで開催されています。https://t.co/nXRRsenWJN pic.twitter.com/ekRbJsezId
— オオツキチヒロ (@chiro_diotop) August 16, 2020
アートとTシャツと私:概要
会期 | 2020年8月14日(金)~ 9月6日(日) |
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会場 | haku kyoto |
住所 | 京都府京都市下京区中之町566 |
開館時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 火曜日 |
電話番号 | 075-585-5959 |
アクセス | 阪急「京都河原町駅」から徒歩5分 |
サイトURL | http://haku-kyoto.com |
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井田幸昌の絵画『Bob』と『Miko』
井田 幸昌(いだ ゆきまさ)さんの作品を見に四条烏丸にある「node hotel(ノードホテル)」へ。
去年、井田さんを知ってから、ずーっと「原画」を見たいと思っていました。
…が、展覧会の開催場所は、東京のみ。プラス、今年開催された「King of limbs(キング・オブ・リムズ)」も「Crystallization(クリスタリゼーション)」も、コロナ渦の中での展覧会だったため、泣く泣く見に行くのを諦めました。
せめて、1枚でもいいから原画を見たい!。…となると、関西では「スガラボヴィー」か「node hotel」の2択になります。
ヴィトン内にセッティングされてる拙作に会いに大阪に。
やっとこれた。 pic.twitter.com/IS1iQ5kGgt— Yukimasa Ida-井田幸昌 (@idayukimasa) November 17, 2020
実際、生の原画を目の当たりにして思ったことは、「表現力がずば抜けてる」です。
塗り重ねによる質感や奥行きの表現(三次元的なアプローチ)、かつ、筆の軌跡や無造作な飛沫などによる躍動感の演出、そして、それらを幾重にも重ねていくことによる、具象から抽象へと移り変わっていく点…
つまり、描写が見たまま(写実的・平面的な表現)に留まっていないところが本当に素晴らしいな…と思いました。やっぱ、カッケー。
もはや原画を購入することは叶いませんが、ポスターを定期的に販売してくれるので、そちらで所有欲を満たしたいと思います。(それすらも争奪戦ですが…)
そんな感じで。終わりッ!!
「node hotel/京都市四条」
センス最高の宿に出会ってしまった…
客室にアート作品を展示する国内で唯一のホテル。まるでアートギャラリーのような同ホテルは
作品自体も実はすごいんです….
ディカプリオやZOZO前澤さんも所有しているアーティスト井田幸昌さんの作品が飾られていたり…. pic.twitter.com/i1SZVXFI2u— おしゃ旅@おしゃれホテル図鑑🏝 (@TabiOsha) August 4, 2020
node hotel:概要
住所 | 京都市中京区西洞院四条上ル蟷螂山町 461 |
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電話番号 | 075-221-8800 |
アクセス | 阪急京都線「烏丸駅」から徒歩6分 |
サイトURL | http://nodehotel.com/ |
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