大阪中之島美術館で開催中の「展覧会 岡本太郎」に行ってきました。
てな訳で感想をば。
目次
岡本太郎展2022 in 大阪の見どころは?
純粋抽象からシュールレアリスム、そして対極主義と、初期から晩年に至るまでの考え方の変化・過程を作品を通して知れる点。
これが本展の見どころですね。
岡本太郎のイメージって、多くの人にとっては「太陽の塔をデザインした」「芸術は爆発だ!の名言を残した」くらいだと思います。
つまり、既成概念に捉われることを”よしとしない”、ぶっ飛んだ発想の芸術家。こういったイメージかと。
ただ、普通に写実的な絵も描けるんですよね。しかも”めっちゃ”上手い。
そのため、彼のパンチのある奇抜な表現は、確かな基礎技法に裏打ちされた”あえての”表現ということが、本展を鑑賞するとよくわかります。
それも見どころですね。
岡本太郎展2022 in 大阪の所要時間は?
ぼくは展覧会で3時間30分、グッズ選びで15分かかりました。
↓内訳としてはこんな感じ。
- 展示物に添えられた説明文は全部読む
- 撮影可能な作品は全て写真に収める
- 音声ガイダンスを1作品につき2回聴く(収録時間35分×2)
- 映像アーカイブは全部見る(約15分位)
入場したのが14時30分で、閉館が18時なので、あーこれ不完全燃焼で終わるパターンや…と自分の計画性の無さに絶望していたのですが、思ったよりサクッと観れました。
…というのも、対極主義に行き着いてからの作風が”似たり寄ったり”なんですよね。。
そのため、1点1点まじまじと見るというより、流し見する/全体を俯瞰(ふかん)で見る鑑賞方法に自ずとシフトしていきました。。
岡本太郎展2022 in 大阪の混み具合は?
全国3ヶ所を巡回する展覧会の初っ端を飾るのが、岡本太郎と縁深い「大阪」ということで、めっちゃ混雑するだろうなーと思ってました。
しかも行ったのは、会期中 1週目の日曜日、かつ、混む時間帯である14時台だったので。
…が、”まぁまぁ”混んではいるものの、”思ったよりかは”という感じ。
あっても、以下3箇所くらいですね。混雑に見舞われ、数分間 待機せざるを得ないのは。
他と比べ、混雑する箇所
- 目玉作品の「太陽の塔」と「明日の神話」
- 各時間帯の入場開始直後の入り口付近
- ミュージアムショップの会計時
ただ、作品の鑑賞自体はあまり待たずともできますが、写真を引きで撮ると、人が大体写り込みます。
休日の場合、これはしゃーないですね。潔く引きで撮るのは諦めましょう 笑
岡本太郎展2022 in 大阪のグッズは?
図録、ポストカード、雑貨などの定番品はもちろんのこと、アパレル・フィギュア・食器…と、幅広く取り揃えられています。
ちなみに、ぼくは「折り畳み傘」と「サンダル」を購入しました。
なお、展覧会の閉館時間は18時になりますが、5階のミュージアムショップの営業時間は18時15分までとなります。
なので、閉館時間に会場を出ても、グッズは買えます。といっても(その場合)グッズ選びにかけれる時間は15分しかありませんが…
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岡本太郎展2022 in 大阪の注意点は?
リュックで入れないことです。
リュックを背負ってると展示室へ向かうエスカレーター付近でスタッフに止められます。
そのため、リュックは”館内設置のコインロッカー”に預ける必要があります。
この際、気をつけることは、撮影機器やお財布をリュックと一緒に預けないことですね。
会場に入ってしまうと、外に出る→再入場をすることができないため、撮影機器やお財布を忘れると写真撮影やグッズ購入を諦めなくちゃいけません。
なので、ご注意を。
岡本太郎展2022 in 大阪の感想
作風(画風)は好みではありませんでした。
ただ、考え方/行ってきたことには”とても”共感しました。個人的には芸術活動の最適解だと思います。
岡本太郎って作品を売らなかったんですよね。
売ってしまうと富裕層や企業の所有物となり、日の目を浴びる機会が激減するから。
代わりに庶民が暮らしの中で楽しめるパブリックアートや日用品作りに精を出すわけです。
で、肝心の作品はどうしたかというと、手元に置いておき自身が満足いくまで手を加え続けた…という。
これって表現者として、すごく幸せなことなんじゃないかと。
…というのも他者評価を意に介さない表現(=自己満)ってとても満たされるんですよね。
ただ、自己満って所詮”自己満”なんですよね。ゆえに広がらない。当然それだけでは食っていけない。
漫画、映画、ゲームなどのエンタメ性の高い娯楽作品が多くの人に支持される理由は、他者に重きをおいてるからだと思います。
アート(芸術)が、エンタメと違い、大衆に浸透しない理由はコレに尽きるかと。
よって、職業・芸術家で食べていくのが難しいことは想像に難くありません。
「art for all」が実施したアーティストアンケートは必見。
回答者の半数が年収200万円未満。展覧会の報酬については9割が「足りない」と回答。ほぼ全員が報酬ガイドラインの策定を求めています。https://t.co/NWvbORLOpe
— 橋爪勇介|美術手帖 (@hashizume_y) April 7, 2022
そのため、多くの芸術家は、お金のための仕事の合間に創作活動を行っている筈。
苦心して活動を行っているからか、作家のみならずギャラリー共々、作品を「命(魂)を削って生み出した我が子」のように称しているさまを、よく見受けます。
ただ、それほど”大事なもの”であっても、結局は売ってお金に変えてるわけなんですよね。
でも、岡本太郎は売らなかった。しかも当時は、今と違いバブルだったので”とんでもない価格”で売れただろうに。
そして、死期を悟るや否や、川崎市に300点を超える主要作品を寄贈。文化振興に寄与した訳です。
これぞ本物の愛だなーと。
タレント業やデザイン、執筆業など、お金のための仕事をキッチリやりつつ、自己表現も突き詰め、社会的にも成功、それも後世に名を残すレベルで。
それを成したのが、アートは大衆のものだと宣言し、旧態依然の美術界に対し宣戦布告を行った岡本太郎というのが痛快だな…と思いました。
/
最後に好みの作品で締めたいと思います。
そんな感じで。終わりッ!!
岡本太郎に対する美術界の評価って、知名度の割に低いなーと思ったり。
と思ったら、以下の理由からなんですね。
岡本太郎は作品を売らないことがポリシーだったので、その筋を通したのは立派だと思うが、それゆえ、マーケットの評価がなく、今の美術界ではポジションニングがとても難しくなってしまっている。
— Misa Shin (@shinmisa) November 16, 2010
なるほど。美術界で評価されるためには、マーケットに出品する必要があるのか…
プライマリーでどれだけ売れたか、セカンダリーでの落札価格はいかほどか。それで評価が決まる感じなのかな??
展覧会 岡本太郎 in 大阪中之島美術館:概要
会期 | 2022年7月23日(土)~ 10月2日(日) | ||||
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開館時間 | 10:00~18:00(最終入館17:30) | ||||
チケット料金 |
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定休日 | 月曜日(※9/19を除く) | ||||
電話番号 | 06-6479-0550 | ||||
所在地 | 大阪府大阪市北区中之島4丁目3−1 | ||||
HP | 大阪中之島美術館 公式サイト |