山田五郎×村上隆の対談トークショー in 京都の感想

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山田五郎×村上隆のトークイベントに参加。

てな訳で感想をば。

山田五郎×村上隆の対談 in 京都の感想

興味深かった話は以下あたり

  1. 村上隆が人前に出る時、ユニークな格好/被り物をしている理由
  2. 西洋と日本の芸術感の違い
  3. 村上隆の風神雷神図がオリジナルと違う点
  4. 村上隆が日本で嫌われる理由

村上隆が人前に出る時、被り物をしている理由

欧米では日本人は差別の対象。
被り物をし、アジア人感を薄め、人種偏見がない状態で作品を見てもらいたいから。

単純に、宣伝効果を期待して..や、自身を広告塔としている..といった意味合いで被っていると思っていました。

…が、まさかそういった意図があったとは。

西洋と日本の芸術感の違い

前提として、美術館と写真の登場でアートの立ち位置/評価軸が変わった。

美術館と写真のイメージ画像

ただ、西洋と日本では意味合いが違う。

西洋の美術館とは、市民革命で民衆が勝ち取ったもの。

市民革命のイメージ

ぼく

それまで王侯貴族の所有物だったものを、一般公開する場所が美術館。

要は、美術館とは”革命が成功し、自由を象徴するモノ”でもある…と。

対し、日本。美術館は官が作ったもの。

官がつくったもの

そして、収蔵品はなるべく人目に触れさせたくない。なぜなら目垢がつくから。

ぼく

西洋とは真逆ですね。


写真の登場でアートの評価軸が変わったのは西洋の話。

それまでは目に映るモノを精密に描くのが評価されてたのに、写真の登場で一変。

その後、印象派が出てくるなど、アートの評価軸はどんどん変化していく。

クロード・モネ《睡蓮の池》|レッサー・ユリィ《冬のベルリン》

印象派の絵画。輪郭がぼやけているのが特徴

…が、西洋の場合は、なぜ”そうなったか”ちゃんと理由がある。

つまり時期によって(評価される/流行ってる)表現手法は異なるが”それらすべて”は地続きである。

対し日本。

そもそも西洋画を取り入れた理由は、産業で活用するため。

ぼく

精密な描写や遠近法が、製図で使えるなど。

日本で美術という言葉が生まれたのは1870年代。そしてその時代、西洋の美術界を席巻していたのは印象派。

写実的な絵画と印象派の絵画

そんな時代に、のちの藝大の指導者”黒田 清輝(くろだ せいき)“が渡仏。

写実って古くね?今イケてるのはコレっしょ!ってことで、印象派の技法を取り入れた作風を日本に持ち込み、評価される。

そして、1890年代”黒田 清輝(くろだ せいき)“が藝大の指導者に就任。

そのため、印象派の技法を取り入れた作風が日本美術のアカデミックに。

つまり、日本美術は西洋美術の”表面だけをなぞった”もの。

ぼく

単に当時 流行ってる作風/技法を取り入れただけなので。

だから、(西洋と違い)価値基準があやふや。

だから、日本人のアートを測る指標は”金額の多寡(たか)“になっているのではないか。




村上隆の風神雷神図がオリジナルと違う点

村上隆 もののけ 京都|左:《風神図》、右:《雷神図》

左:《風神図》、右:《雷神図》

山田氏から以下の質問を村上氏に。

オリジナルと違い横長である理由、また、風神雷神の位置が何故テレコなのか。

以下、村上氏からの回答。

初期のラフ案通り横長とした。(元とは違うが)ライブ感を重視した。
位置がテレコなのは、正確な位置だとしっくりこなかったから。

ちなみにオリジナルの絵はコレ↓

風神雷神図屏風

俵屋宗達の風神雷神図(レプリカ)

ぼく

京都・東山区にある建仁寺(けんにんじ)で見れます。

村上隆が日本で嫌われる理由について

以下2点。

  1. オタク/アート界隈ともに、嫌儲(けんもう)意識が強い。にも関わらず”オタク×アート”で稼いでいるから
  2. 自分の手で作ってないから

ぼく

散々 擦(こす)られてきた内容なので、新鮮味は特に感じず。

ただ、上記に加え(アートに関して日本人は)戦略すら嫌う…っていうのは驚いたかな。

山田氏も仰ってましたが、絵のみならず戦略も美大で教えるべきかなーと個人的には思います。

ぼく

趣味でなく、生業(なりわい)にするのであれば、戦略必須かと。


村上氏が世界的に評価されている理由がよく分かった対談でした。

なぜなら…

浮世絵/水墨画などの日本の伝統的な絵画、および、日本を代表するカルチャー”漫画/アニメ”、

それらに平面性(二次元性)という共通項を見出し、日本人の表現手法に通底する概念を「スーパーフラット」と称し提唱したから。

ぼく

国外ではそらウケるよな〜と。

あと、かつてのジャポニズムもそうだし、日本の漫画・アニメも世界中で人気があるため、向こうの方(かた)も日本文化には一定馴染みがありそう…

つまり、下地があることも人気を博した要因の一つ…と推察。

ぼく

策士/戦略的ですね。素晴らしい。

そんな感じで終わりッ!!

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