アートと資本主義の関係を可視化。山本雄教 仮想の換金を鑑賞。

山本雄教 仮想の換金|26126円の美術館

久々にコンセプトが優れ、しかも”スッと理解ができる”。そんなアート作品を見ました。

てな訳で感想をば。

山本雄教 仮想の換金 in 京都市京セラ美術館:感想

山本雄教 仮想の換金|27000円の芸術家と63円の芸術家

左:《27000円の芸術家》、右:《63円の芸術家》

ぼく

左は巨匠「竹内 栖鳳(たけうち せいほう)」。右は本展の作者です。


1円玉で描かれた肖像画たち。

市場価値が高い作家ほど大きなサイズで鮮明に描かれ、市場価値が低くなるほど小さく不鮮明になっていく。

山本雄教 仮想の換金|と7380円の芸術家

《7380円の芸術家》

そんなアートと資本主義の切っても切れない関係性を描いた作品群。

ぼく

めっちゃわかりやすい!!

難解なテーマを”ここまで”直感的に理解できるレベルにまで落とし込む点。

しかも、それを直接的ではなく、表現として昇華させてる点がマジで凄いなと。

あと何より凄いのが、「一目で市場価値が高いか/低いか」がわかること。

山本雄教 仮想の換金|と27000円の芸術家と63円の芸術家を比較

一目瞭然

つまるところ、アートも所詮(しょせん)資本主義という経済システムからは逃れられないんやで!をここまで明瞭に。ビジュアルで可視化させてる点が素晴らしいな…と。

例えば、ギャラリーに行けば、色んな作家の絵が飾られており、値札や売れ行きを見ることで(作家達の)ヒエラルキーがわかる訳です。

逆に言うと、絵単体ではそれらの判別は不能。つまり入場時点ではフラット(=付加価値/他者評価を加味しない状態)

アートとTシャツと私

市場価値が高いのはどの絵?

対し、この展覧会。入場と同時に市場での力関係がわかるという ww

ただ、残酷だけど(アートについて)知れば知るほど、見え方はこうなっていくんですよね。。

ぼく

どうあっても抗えない。だって人間だもの。

あと、美術館に行ってゴッホの絵は見るけど、ギャラリーに行って若手作家の絵は見ない。とかも同じ性質かなーと。

つまり自身の目利きではなく、他者評価軸を重視する。本展は、そんな人間の浅ましさをも表現しているようにも感じました。

ぼく

アートを知れば知るほど、こういう目線で見ちゃうよね〜。

久々にビジュアル/コンセプトともに素晴らしい作品を見ました。眼福。

作者インタビュー

山本雄教 仮想の換金 in 京都市京セラ美術館:概要

山本雄教 仮想の換金|4050円の女

会場 京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル
会期 2023年10月13日(金)〜 2024年2月12日(月)
開館時間 10:00 ~ 18:00
観覧料 無料
定休日 月曜日(但し祝日の場合は開館)
電話番号 075-771-4334
所在地 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
HP 京都市京セラ美術館

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