「絵(シルクスクリーン版画)」を買いました。
これまで複製原画やアートプリント、ポスターなどは購入したことがありますが、アーティストが描いた”ガチもん“の絵を購入するのは初めてです。
購入した理由は、「インテリアに合いそう、(様々な要因が絡まり合ってできた)タイミングの一致」など色々ありますが、一言でいうと「購入した絵が気に入ったから」です。
ただ、(ぼくにとっては)安い買い物ではなかったので、購入に到るまで様々な葛藤がありました。
その際、参考になったのが以下の記事です。
どの記事も、購入に到るまでの”プロセス”が書かれており、読み物として非常に興味深く、かつ、面白く読みすすめることができました。
そして、改めて言語化するのはいいなーと。(巡り巡って還元される感じがたまりません。)
ぼくも上述の記事の方々 同様、作品購入までのプロセスを残したいと思います。
目次
ぼくにとって「絵」とは、生活するにあたり必要ないもの
まず、購入のきっかけ云々の前に、ぼくの中での絵の立ち位置(重要度)について。
ぼくにとって絵は、「(生活するにあたり)必要のないもの」です。
例えば、仕事が無くなり収入源が途絶えたとしたら、いの一番にお金を割くのは間違いなく「食、住、インフラ(電気・ガス・水道・ネット)」です。
また、お金に余裕ができたとしても、絵を買うという発想はありません。
おそらく「電化製品(=生活の効率化)・服や音楽(=趣味)・勉強(=自己投資)」辺りにお金を割くかと思います。
つまり、「購入優先度が限りなく低いもの」がぼくにとっての「絵」です。
ここまで書くと「絵」が嫌いそうですが、別に嫌いではありません。むしろ好きです。
ただ、一言付け加えるのであれば、「バックグラウンド(背景・事情・ストーリー)のある絵」が好きです。
その絵が持つ「バッグラウンド」に共感できるかどうかが重要
つい先日「進撃の巨人展」に行って、原画(絵)を見てきたのですが、それはもう感動しました。
何故か…?それはひとえに登場人物や物語の背景(バックグラウンド)を知っているから。
例えば、”進撃の巨人”を知らない人が上記の絵を見ても「絵うまッ!・なんか大きな人体模型(?)が街を覗き込んでるなー・キモっ!怖っ!」位しか思わないんじゃないでしょうか…?
そんな状態で、この絵を深堀りしていくには、「絵(漫画)に対する知識」や「感受性」が必要になってくるかと思います。
…がそんな方は少数かと。大多数の方は、表面だけをなぞっての鑑賞になるんじゃないでしょうか。
そして、これは”まんま”(美術館などに展示されている)絵を鑑賞している時のぼくの状況に当てはまります。
これまで様々な絵を見てきましたが、バックグラウンドを全く把握していない状況で感動したのは1枚だけ。
それは地中美術館に飾られている「モネの睡蓮(スイレン)」です。
クロード・モネの生誕日
香川県直島の地中美術館には「クロード・モネ室」がある。広大な部屋に「睡蓮」だけが展示してある、モネの睡蓮を鑑賞するためだけの部屋。
睡蓮と一体になり、モネの生きた時代にスリップしたような、あの夢の中にいるような体験は一生忘れない。 pic.twitter.com/yahKLRdscD— ミユキ (@QUuQZs1DKVQfb5q) 2018年11月14日
ただ、絵単体の力ではなく、空間の使い方・部屋のデザインや素材など、複合的な要素が絡み合って印象に残っている感じですね。
さしあたり必要ないにも関わらず、なぜ、アート作品(絵)を購入したのか?
アーティストを知ったきっかけや、個展に行くきっかけ
今回購入した絵の製作者は「一乗ひかる」さんです。
HYKE adidas pic.twitter.com/aNkbnUY4FV
— 一乗ひかる (@ichijo_hikaru_) 2019年11月3日
彼女をなぜ知ったのか?きっかけは下記の記事。
サイト名は「ファッションスナップ・ドットコム」。つまり、ファッション関係の記事からたどり着きました。
そして、個展に行こうと思ったきっかけは、以下3点です。
- 記事内に掲載されている「絵」に惹かれた
- 個展会場が今住んでいる”大阪”で近い
- 開催時期はちょうど「乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展」に行った後で、アート鑑賞に気持ちが向いてた。
個展の期間は、約2週間とかなり短め。そのため、記事を見た週の週末には個展を見に行ってました。
個展で実際に作品を見て
地下スペース Chika No Akichi 展示開催中
一乗ひかる「実験と成熟」
2019. 6.29 Sat – 7.15 Mon
12:00 – 19:30 <7/3と10は休み>本日初日 スタートしました。
構図、配色 共に抜群に良い作品しか並んでいません!
是非 いらして下さいませー。 pic.twitter.com/TbUbyKKdKf— NEW PURE + (@npp_osaka) 2019年6月29日
まずびっくりしたのが、「飾られてる絵って買えるんやー!!」です。
個展に行き慣れている人からしたら常識かもしれませんが、「展示作品が買える」というのは、これまで経験したことがありません。
購入できるとは思わなかったので、「せっかくの機会だから」という気持ちがムクムク湧いてきました。
それに加え、値段も全然手が届く範囲。(アート=クソ高いってイメージだったので)
また、絵のテイストも好みだったため、俄然(がぜん)、購入する気持ちに拍車がかかりました。
ざーっと見た中で、気になったのは、今回購入した絵。
おもわず、めっちゃいいじゃん…って声出た!これでぜんぶすれた!!!色面はA3相当ですが、するのめっちゃ大変というのとわたしが下手というので2枚しかちゃんと刷れなかった。だからこのサイズは一点だけです。 pic.twitter.com/EjG0UbDgy1
— 一乗ひかる (@ichijo_hikaru_) 2019年6月23日
他の絵に比べ、なぜこの絵に惹かれたのか…?一番の理由は「大きさ」です。
これ以外の絵のサイズは小さく、壁にかけて飾る…というより”写真立て”の様にデスク周りに置くといったサイズ感でした。
そんな中、一際目立っていたのがこの絵。なんせ他の絵の3倍の大きさだったため、否が応でも目立ってました。
あとは、メインビジュアルに赤色を使用していることも大きかったです。ぼくの家のアクセントカラーは、”赤”なので、部屋のイメージとも合うな…と。
…が、大きさが3倍ということは、お値段も当然3倍。
即決(衝動買い)するには、高すぎる買い物だったため、一旦保留に。
検討から購入までのプロセス
結構悩みました。悩みの大半は、「炎舞炊き(高級炊飯器)」を買った方が、日々の食生活が充実し、満足度が高いんじゃないか…?」とかそういうことです。
要は、実用性や合理性とひたすら秤(はかり)にかけていました。すると、どんどん買う理由がなくなってくるんですね 笑
だってどう考えても、利便性を与えてくれるのは家電だから。
ぼくがお金をかけているもので、(人から見て)一番「非・合理的」なものは”服”ですが、ぼくにとっては十分 合理的。なぜなら自分が好きな服を着ると、気分が上がって心が満たされるので。
じゃあ絵はどうなのか…というとコレが分からないんですよね…何故なら絵が身近にない生活を送ってきたし、これまで絵を買おうと思ったことがないので。
…と”うだうだ”悩んでたんですが、ある朝”ポンっ”と買おうと決めました。
理由は単純。朝起きて目を開けた際、視界の先にある空間がさみしいな…と思ったから。
そして、毎朝目覚めと共に”お気に入りの絵”が飛び込んでくるのがいいな…と思ったからです。
あと、気に入った絵が、手の届く範囲の価格で手に入れることができる…というのも購入を決断した要因の一つ。
例えば、ぼくは”イラストレーター”でいうと、下記の方々が好きなのですが…
- すしお(代表作:キルラキル など)
- あきまん(代表作:ストリートファイターII など)
- 出渕 裕(代表作:ロードス島戦記 など)
- いのまたむつみ(代表作:テイルズ オブ シリーズ など)
- 天野 喜孝(代表作:ファイナルファンタジー など)
- 貞本 義行(代表作:エヴァンゲリオン など)
すでに有名な方々なので、彼らの絵は”とてもじゃないけど”買える気がしません。
なので、一介のサラリーマンが絵(原画)を買おうとしたら、メジャーになる前に唾をつけておく他ないんじゃないかと。
そうなると、常にアンテナを張り巡らし続ける必要があります。それはもう趣味ですよね。
絵は ぼくにとって趣味では無いので、そこまでする気概(きがい)はありません。
そのため、「この機を逃すと、今後の人生で絵を買うことが無いかもしれない」と思ったことも、購入を決断した要因の一つです。
絵を購入した感想
散々、合理性や利便性うんぬんと書いてきましたが、「絵のある生活」かなりいいです。
僕の家には「iMac」や「セイルチェア」、「アングルポイズ」や「ダイソンのファンヒーター」、「カリモクの家具」など、いわゆる”オシャンティ”なものが多数ありますが、それら”プロダクトデザイン”では、決して出せない味わい深さがあるのが一点。
そして、何も無い空間に「絵」を設置したことで、明らかに空間が締まりました。
なんせ、僕の家のベースカラーは膨張色である「白」なので、「赤」と「青」のコントラストの強い色を入れることで、バシッと空間が締まります。これが二点目。
三点目は、お気に入りの絵であること。四点目は、いい気分で目が覚めることですね。
「絵を買うという経験」・「他の方がどういったプロセスで購入したか などの知見」・「業界で活躍している人・購入したアーティストについての深堀り」など、絵を買うことで、「インテリアが映える」以外にもいろんな恩恵をもたらしてくれました。
そんな感じで。終わりッ!!
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刺さったアーティスト(個人的注目アーティスト)
今回絵を購入するために、色々情報を収集しました。その情報には当然アーティストも含まれます。
その中で、個人的に刺さったのは、以下の2人です。
井田幸昌(画家)
こちらも、かなりの衝撃を受けました。学部生が、この絵持って歩いてたんだぜ…。#井田幸昌 pic.twitter.com/w4loovYckt
— 原美湖 (@chan_hara) 2019年7月6日
リトル・サンダー(イラストレーター)
仕事終わりに、香港のイラストレーター門小雷さん(@littlethunderr )の個展「PEEK」のぞいてきた。終了15分前に滑り込み。画集などはすべて売り切れてた…。7/14まで。#門小雷#PEEK pic.twitter.com/1NkJfctDZ5
— 中尾仁士 ★イラスト可視化士 (@hitoc) 2019年7月12日
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特に井田 幸昌(いだ ゆきまさ)さんの絵は、理屈なんて超越するくらい、”かっこいい”と思います。マジで痺れました。
ただ、(価格的に)もう買えないですね。。残念。