久々にコンセプトが優れ、しかも”スッと理解ができる”。そんなアート作品を見ました。
てな訳で感想をば。
目次
山本雄教 仮想の換金 in 京都市京セラ美術館:感想
1円玉で描かれた肖像画たち。
市場価値が高い作家ほど大きなサイズで鮮明に描かれ、市場価値が低くなるほど小さく不鮮明になっていく。
そんなアートと資本主義の切っても切れない関係性を描いた作品群。
難解なテーマを”ここまで”直感的に理解できるレベルにまで落とし込む点。
しかも、それを直接的ではなく、表現として昇華させてる点がマジで凄いなと。
あと何より凄いのが、「一目で市場価値が高いか/低いか」がわかること。
つまるところ、アートも所詮(しょせん)資本主義という経済システムからは逃れられないんやで!をここまで明瞭に。ビジュアルで可視化させてる点が素晴らしいな…と。
例えば、ギャラリーに行けば、色んな作家の絵が飾られており、値札や売れ行きを見ることで(作家達の)ヒエラルキーがわかる訳です。
逆に言うと、絵単体ではそれらの判別は不能。つまり入場時点ではフラット(=付加価値/他者評価を加味しない状態)
対し、この展覧会。入場と同時に市場での力関係がわかるという ww
ただ、残酷だけど(アートについて)知れば知るほど、見え方はこうなっていくんですよね。。
あと、美術館に行ってゴッホの絵は見るけど、ギャラリーに行って若手作家の絵は見ない。とかも同じ性質かなーと。
つまり自身の目利きではなく、他者評価軸を重視する。本展は、そんな人間の浅ましさをも表現しているようにも感じました。
日本のアートマーケットには新たな流行が生まれている。最近の若手のコレクターの間では、「フルハウス」と呼ばれる作家のコレクションリストがあるようだ。井田幸昌、KYNE(キネ)、小松美羽、TIDE(タイド)、松山智一。この5人の作家の作品を揃えるのがトレンドでオークションでも高値で購入する‼️
— 三潴末雄 (@mizumaart) August 23, 2021
久々にビジュアル/コンセプトともに素晴らしい作品を見ました。眼福。
作者インタビュー
山本雄教 仮想の換金 in 京都市京セラ美術館:概要
会場 | 京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル |
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会期 | 2023年10月13日(金)〜 2024年2月12日(月) |
開館時間 | 10:00 ~ 18:00 |
観覧料 | 無料 |
定休日 | 月曜日(但し祝日の場合は開館) |
電話番号 | 075-771-4334 |
所在地 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 |
HP | 京都市京セラ美術館 |