この接続ではプライバシーが保護されませんが頻発。原因と対処法について

クロームでWebサイトにアクセスした際、多くのサイトで「この接続ではプライバシーが保護されません」が表示される理由と対処法について

10月に入ってから、急に「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示されるWebサイトが増えました。

この接続ではプライバシーが保護されませんの画面

特に個人で運営しているサイトに関しては、”ほぼほぼ”このメッセージが表示され、スムーズにアクセスすることができません。

えっ、なんで??と最初は戸惑いましたが、すぐに理由が分かりました。

多くのWebサイトで「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示される理由

理由1:無料SSLが使用しているルート証明書の有効期限が切れたから

Let's Encryptのルート証明書「DST Root CA X3」の有効期限が切れている

DST Root CA X3の有効期限は2021年9月まで。

SSL証明書で最大のシェア数を誇る「Let’s Encrypt(レッツ エンクリプト)」のルート証明書「DST Root CA X3」の有効期限が2021年9月30日で切れた結果ですね。

「Let’s Encrypt」の特徴は無料で利用できること。そのため、そのシェア数は、現在「53.5%」と、全SSL証明書の半分を超えています。

Market share trends for SSL certificate authorities, October 2021

Changes in the market share of SSL certificate authorities

つまり、常時SSL化(https://)されているサイトの半数以上は、「Let’s Encrypt」を利用している…ということです。

その大元の証明書(ルート証明書)の有効期限が切れてる関係上、多くのサイトで「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示される訳です。


…が有効期限切れの問題は、既に解決されています。

ただ、ある条件下でのみ”この問題”が今も継続している…という訳です。それが以下に記載している理由です。

理由2:利用しているOSやブラウザのバージョンが古いから

利用しているOSやブラウザのバージョンが古いと、Let’s Encrypt(レッツ エンクリプト)のルート証明書の移行が済んでおらず、警告メッセージが表示されます。

この接続ではプライバシーが保護されませんの画面

警告メッセージ

ちなみに、ぼくが使用しているiMacのOSは「El Capitan」。バージョンは、「10.11.6」。

10.11.6のリリース日は、2016年7月18日で、既に5年が経過しています。

このバージョンだと、Let’s Encryptを使用しているWebサイトにアクセスすると、「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示されます。

多くのWebサイトで「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示された時の対処法

OSのアップデート、もしくは、Firefoxブラウザを利用する

macOS「Sierra(ver 10.12.6)」だと、Let’s Encrypt(レッツ エンクリプト)を使用しているWebサイトにアクセスしても、警告メッセージは表示されませんでした。

この接続ではプライバシーが保護されませんの画面は表示されない

理由は、特定のバージョン以降のOSだと、「Let’s Encrypt」のルート証明書が「DST Root CA X3」から「ISRG Root X1」に変わっているからですね。

Let's Encryptのルート証明書が「ISRG Root X1」に移行している。有効期限は2035年。

ISRG Root X1の有効期限は2035年6月まで。

なので、OS自体を最新のものへアップデートすれば、この問題はおのずと解決します。

ぼく

どのバージョン以下がアウトなのかは、下記記事にまとめられています。

9月末でLet’s Encryptルート証明書が期限切れ、古い製品は要注意

人気の高いSSL証明書認証局であるLet’s Encryptが使っているルート証明書の有効期限が近づいている。「IdentTrust DST Root CA X3」で認識されるこのルート証明書の有効期限は2021年9月30日、つまり今月いっぱいまでだ。古いソフトウェアを使っている場合は特に注意が必要だ。


また、macOS自体が古くとも、Webブラウザ「Firefox」で閲覧すると、「この接続ではプライバシーが保護されません」のメッセージは表示されません。

この接続ではプライバシーが保護されませんの画面は表示されない

Firefoxだとスムーズにアクセスできる

そのため、OSのアップデートは困る…という方は、メインブラウザを「Firefox」にすることで、この問題が解決します。

そんな感じで。終わりッ!!

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